小さな会社ほど「やること」がどんどん増えていきます。
お客さま対応、集客、経理、事務作業、新しいアイデア。
気づくと頭の中がいっぱいで、何から手をつければいいか分からなくなる。
そんな感覚を経験したことがある方も多いのではないでしょうか。
そこで力を発揮するのが「やることリストを週1で整える習慣」です。
週に一度、30分だけ落ち着いて“やること”を出し直し、並べ替え、捨てる時間をつくる。
これだけで、1週間の動き方が驚くほど楽になります。
今回は、戸田市で事業を運営する立場から、小さな会社でも無理なく続けられる「やることリスト」の整え方をお伝えします。
1. 小さな会社こそ「やること」が増えやすい理由
小さな会社では、一人が何役もこなすのが当たり前です。
経営者が、現場スタッフであり、営業であり、事務担当でもある。
そのうえ、新しいアイデアもどんどん出てくるので、「やろうと思っていることリスト」だけが増えていきます。
問題は、「今週やるべきこと」と「いつかやりたいこと」が混ざってしまうことです。
紙やスマホのメモにはタスクが並んでいるのに、優先順位が決まっていない。
その結果、「今日も大事なことにたどり着けなかった」と感じてしまいます。
小さな会社が疲れやすいのは、仕事の量だけが原因ではありません。
「どこまでやればいいか」が見えなくて、頭の中が働き続けてしまうからです。
だからこそ、週に一度、頭の中を空にして整理し直す時間が大切になります。
2. 週1の30分でやることリストを整える基本ステップ
週1のリスト整えは、長時間やる必要はありません。
30分から45分くらいで十分です。
ポイントは「順番を決めて、毎回同じ流れで行うこと」です。
おすすめの流れは、次の4ステップです。
1)頭の中の「やること」「気になっていること」を全部書き出す。
2)終わったこと、もうやらなくて良いことに線を引く。
3)残ったものを「今週やる」「今月でOK」「いつか」で分ける。
4)「今週やる」に残ったものだけを、1週間の予定に入れていく。
このとき大切なのは、「今週やることは欲張りすぎない」ことです。
できなかったタスクが積み上がると、自信が削られてしまいます。
逆に、「やると決めたことが終わる」感覚を積み重ねると、仕事のスピードも自然に上がっていきます。
3. 5つの視点でタスクを分ける|会社を“箱”で考える
やることリストをただ並べるだけだと、「どれから手をつけるか」でまた迷ってしまいます。
そこでおすすめなのが、会社の仕事を5つの“箱”に分けて考える方法です。
その5つとは、次のとおりです。
・会社全体のこと(方針決め、数字の確認、パートナーとの打合せなど)
・売上につながること(商品づくり、サービス改善、単価アップの工夫など)
・既存のお客さまのこと(フォロー連絡、アフターサービス、ニュースレターなど)
・新しいお客さまのこと(サイト更新、広告、SNS、紹介の仕組みづくりなど)
・裏方のこと(経理、事務手続き、備品管理、ファイルの整理など)
書き出したタスクを、この5つのどれかに当てはめてみます。
すると、「売上につながる仕事」と「それ以外の仕事」のバランスが見えるようになります。
毎週少しずつでも、売上につながる箱に時間を割く。
それが、小さな会社が長く続くためのポイントです。
4. 1週間の予定に落とし込む|カレンダーに“時間”で入れる
リストを整えるだけでは、現実は変わりません。
大事なのは、「いつやるか」を決めるところまで持っていくことです。
ここで有効なのが、カレンダーや手帳に“時間”として入れてしまう方法です。
例えば、
・月曜の午前は「既存のお客さま」の時間。
・火曜の午後は「新しいお客さま」の時間。
・金曜の午前は「会社全体と数字を整える」時間。
といったように、「何の箱に使う時間か」を決めておきます。
その枠の中に、今週やるタスクを入れていきます。
一つの枠に詰め込みすぎず、「この時間はこれだけできればOK」と基準を低めにするのがコツです。
予定どおりいかなかったとしても、毎週同じ枠を確保しておけば、少しずつ前に進みます。
5. ふりかえりと「やらないこと」を決める勇気
週1の時間では、「できなかったこと」を責める必要はありません。
むしろ、「何が邪魔をしていたのか」を知るチャンスです。
突然の来客かもしれませんし、自分の疲れかもしれません。
他の人に任せられた仕事かもしれません。
ふりかえりのときに大事なのは、次の二つです。
・来週に回すタスクは、量を減らすか、やり方を変える。
・思い切って「やらないことリスト」に移すものを決める。
小さな会社は、「全部やる」ことを目標にすると苦しくなります。
「やらないこと」を決めることで、「本当にやりたいこと」に時間を使えるようになります。
この感覚を持てると、忙しいときほど心が軽くなります。
6. 一人会社/少人数チームで続けるコツ
一人会社の場合、「自分との約束」を守るのが一番むずかしいかもしれません。
そんなときは、週1のリスト整えを“儀式”にしてしまうのがおすすめです。
いつも同じ曜日、同じ時間、同じ場所で行う。
好きなコーヒーやお茶を用意してから始める。
ちょっとした楽しみとセットにすると、続けやすくなります。
少人数チームの場合は、リストを共有しすぎないこともポイントです。
会社全体の「大きなやることリスト」と、各自の「自分のやることリスト」を分けておきます。
全員で共有するのは、「今週の優先順位」と「お願いしたいこと」だけで十分です。
毎週の終わりに、
・今週できたこと。
・来週に回すこと。
・やらないと決めたこと。
を3つずつ確認する時間をつくると、チームの安心感もぐっと高まります。
まとめ|週1のリスト整えが、迷いを減らす一番の近道
小さな会社の毎日は、どうしても「目の前のことでいっぱい」になりがちです。
そんな中でも、週1の30分を確保して、やることリストを整える。
これは、自分や会社のために用意する「小さなメンテナンスの時間」です。
週1でやることリストを整える習慣には、次のような効果があります。
・頭の中がスッキリして、迷う時間が減る。
・本当に大事なことに、少しずつ時間を割けるようになる。
・「できたこと」が見えるので、自信が積み重なる。
・やらないことを決める勇気が持てるようになる。
いきなり完璧を目指す必要はありません。
まずは、今週一度だけ、30分の時間をブロックしてみる。
紙とペン、もしくは1つのアプリだけを使って、頭の中の「やること」を全部出してみる。
それだけでも、心が少し軽くなるはずです。
株式会社T&Cでは、WEBまわりのご相談だけでなく、「やることを整理する」「優先順位を決める」といったお話を一緒にすることもあります。
もし一人で抱え込んでいる感覚があれば、気軽にご相談ください。
小さな一歩を、無理なく続けていけるような形を一緒に考えていきましょう。